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23.06.24 004 「ボストン美術館 浮世絵名品展」 <事務局 梶田 邦輔>

「ボストン美術館 浮世絵名品展」に行って来ました。もうすっかり賞味期限の切れた2ヶ月前の話ですが・・・
膨大な浮世絵を所蔵するボストン美術館のコレクションの中から、天明・寛政期の浮世絵師、鳥居清長、 喜多川歌麿、東洲斎写楽を中心に浮世絵名品展がありました。昨年8月から神戸、 名古屋、東京、千葉と続きましたが、6月24日から予定していた仙台展は残念ながら中止となりました。
4月中旬、東京・広尾の山種美術館へ。  今回公開された約144点の中に、虚無僧などが描かれた錦絵は3点。興味はひとつ、尺八がどのように描かれているか? 目的達成です。

@喜多川歌麿 「虚無僧と美人」寛政5年(1793年)頃
A喜多川歌麿 「虚無僧姿の男女」寛政6年(1794年)頃
B鳥文斎栄之 「茶屋娘見立雁金五人男」寛政5年(1793年)頃 
「ボストン美術館 浮世絵名品展」

いずれも江戸時代も後期に差し掛かった頃の作品です。黒澤琴古が尺八の指南役として一月寺で指導をしていた頃で、 虚無僧尺八は全盛期。歌舞伎でも盛んに虚無僧が活躍していました。

歌舞伎の「極付播隋長兵衛」では、鉄製の煙管が禁止され根付きの尺八を腰に差し護身用としたといいます。 やはり歌舞伎の「雁金五人男」の雁金文七も、一尺一寸程の尺八では喧嘩に向かず、一尺八寸の根付きの丈夫なものにしました。 いずれも浮世絵では、根節が使用されています。この二人については、まもなく機関紙「竹友」で掲載を予定していますので、 お楽しみください。 この浮世絵展の中のAとBについても、尺八の根元はしっかり根付きで描かれていました。

@は、娘が虚無僧姿の若者に声を掛けている。歌舞伎にみる比翼塚の白井権八と小紫を連想させます。(この権八小紫のお話は 次回「竹友」誌で掲載を予定しています。) Aは、 若い男女の伊達虚無僧で編笠を手にしています。 Bは、ずばり歌舞伎の「雁金五人男」の趣向です。  AとBに描かれている尺八から、根付の竹で虚無僧尺八とみてとれます。Bの尺八では、上から3節と4節の間 に4つの孔が並び、作者の身近には尺八がなかったのか、正確な描写ではありません。

17世紀に一節切が広く一般大衆にまで浸透しましたが、三味線の普及や箏との合奏、虚無僧尺八の台頭により、 廃れ、神谷潤亭が再興を図りましたが、そのかいなく衰退していきました。この浮世絵が描かれた18世紀頃は、 まさに虚無僧尺八の全盛期だったわけです。

画像をお見せしたいところですが、著作権により保護されていますので掲載はできません。インターネット上で 検索すると掲載している方もおりますが・・・
四谷の事務所に「ボストン美術館 浮世絵名品展 図録」を用意しましたので、ご覧になりたい方は、お申し出 下さい。

(since 2011.04.18  全国竹友会事務局)
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