昭和10年竹友社社是

竹友社社是

左記ハ大正十一年元且當社機雜誌『竹友』
誌上二於テ宣言セル抱負経綸ノー節デアリ
マス。之レハ當社ノ指導下ニアル同人諸士
二對シテ特二再読ヲ煩ハサンガ爲メニ茲ニ
再録致シマシタ。由来竹友社ノ社是ハ一二
懸ツテ此宣言二淵源シ運用サレテ居ル事ヲ
此際深ク翫味セラレン事ラ切望スル次第デ
アリマス。
竹友社主 川瀬順輔

宣  言(抜粋)
一、
竹友社ハ私個人ノ安宅(スマイ)デアリ,其社名ハ私ノ理想ノ象徴デアりマス。
而シテ私ハ社ノ心核デアリマス。

二、
竹友社ハ専制的川瀬派ヨリ……平等的社團竹友社ニ轉じ……次デ私個人二還元サレタモノデアリマス。

三、
竹友社ハ社主タル私ノ心理二畫ク経綸ノ外ニハ何等ノ規約モ立テマセン。
而シテ其施設ノ當否ノ如何ハ伏シテ大自然ノ審判ヲ仰グノ外ニハ何等束縛ヲ受クベ キ何物モアリマセン。

四、
竹友社ハ社會共存ノ大旨二基キテ無規約ノ下ニ,竹友互二相助ケ、相益シ相親シムコトヲ理想ト致シマス。

五、
竹友社ハ竹友諸氏ノ温故方面ト知新方面ト此兩面ヲ包括シ各自天禀ノ相異二基キ, 一ニ竹道向上ノ道程ヲ辿ルモノデアリマスカラ、其何レニモ賛意ヲ表シテ共存ノ友誼ヲ盡イシタイト思イス。

六、師弟觀。
私ハ從來紛擾滋キ師弟觀二就テ師弟ヲ父子人倫ノ夫レノ如クニ觀テ居リマス。 族系トシテノノ父子ノ彝倫(イリン)モ人間トシテハ各人平等タルガ如クニ、道ノ上ノ師弟ノ典義モ藝術趣味ノ同人トシハ平等ノ竹ノ友トアラネバナラヌ事ト信ジマス。
曾て舊川瀬派時代竹友誌ノ初號ニ『師弟ノ間柄ト雖モ廣キ意味二於テ竹友タルヲ 妨ゲズ云々』ト宣ベマシタガ,ドコ迄モ此主義二出發シテ而モ師弟シテハ慈仁ト恭敬 トヲ旨トシ、竹友トシテハ自由ト親愛トヲ守リ、若シ共間相悖(モト)ルガ如キ場合ニハ節スルニ中庸ノ徳ヲ失ハザラン事ヲ御互ニ努メタイト思ヒマス。

七、竹友観。
私ハ私ノ門下ト系統トヲ限リテ竹友ト申スノデハアリマセン。
苟モ竹道二關シテ互二相助ケ相益シ相親シム事ヲ得ベキ境遇二在ル方々ハ皆竹友トシタイノデアリマス。
若シ共境遇上互二相助ケ合ウテ共同的行動ヲ取ル事能ハザル(理想ト利害トノ點ニ於テー致共同シ難キ事情ノ爲メニ)方々ト雖モ他山ノ石トシテハ間接二益友デアリ道友ダアラネバナラス事ト信ジマス。 而シテ人間味トシクハ飽クマデモ親友タラン事ヲ期待致シマス。

八、理想。
私ハ道ニ入リテ最初ノ約十數年間ハ純ナル藝術ノ研究者デアリマシタ。
次ノ約廿年間ハ専ラ竹界開拓ノ政策二從事シマシタ。
元来政策ヲ行フ事ハ理想ニ達スル道程デアリマスカラ、共間勢ヒ單純ナラザルモノガ含マレル事ハ止ムヲ得マセン。
此故二現在私ノ實行ヲ誓ヒ得ル上記ノ宣言ハ未ダ私ノ終局ノ理想デ無イ事ヲ諒セラレタイ。
若シ幸二私ノ期待シテ居ル終局ノ理想二到達スル事ヲ得タナラバ、最早思フ事モ言フ事モ必要ナク、唯竹道ノ一アルノミデアリマス。

解説
これは 昭和10年6月1日、宗家 竹友社発行 の小冊子です。
約、縦18Cm,横13Cm 全11頁からなる 竹友社社是 免状規定書 の竹友社社是に当たる部分です。
内容は初代竹友翁の、現代にも通ずる含蓄に富んだ竹道精神であります。
竹道の原点を見つめ直すべく、ここに掲載いたします。
この項 柿崎鐘輔

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