藝道私見

藝道とは何ぞや、曰く、想はその體、藝道とは何ぞや、技はその影、術はその用たり、復曰く、技は果てにして想は因たり、而して技と想とは術の用に由りて發動運行の妙をなす。技想と術の關連は、因果と縁の關連に均し、想は術に由りて技を現じ、技は術を通じて想をなす(技は術を通じて他人の想を生ず之れを擴大と云ふ。技は術を通じて自己の想を益す之れを向上と云ふ)因は縁に由りて果を生じ、果は緑を通じて因をなすが如し。

技は有にして末なり、想は無にして本なり、術は有無に介在して、技と想とに生を與へ、之れを至妙に導く、藝道茲に全し。

想は因なるが故に、五官に入り來る處の一切を美化し、融化し、審かにし、豊にし、以て自他共通の情に感ぜしむるの性を具へざるべからず。

術は想と技との縁、即ち用をなすものなるが故に、想の一切を遺憾なく技に移し影す處の気を云う。技は果なるが故に、想が術を通じて現はるゝ像を云ふ、而して自他共通の感情に共鳴するのカなかる可らず。 之れ一を要するに、技術想の三、渾然融合して一體となれば、之れを是れ眞と云ひ、 無我の妙境即ち茲に在り。

竹友社MENU

竹友社案内

〒160-0008
東京都新宿区三栄町三
TEL:03-3341-5755
e-mail:jimu@chikuyusha.jp