竹道とは何んぞ

竹道とは何ぞ、曰く 主観すれば萬里歸一の大道に歸し、客観すれば大道の一部之れなり。大道とは何ぞ、曰く卑近に例を取り不二峯に登攣するとせんに 東口あり、西口あり、南北口あり、乃至丑寅にあり、未申にあり、極言すれば到る處路たらざるはなし、而して其態千差萬別にして廣狭あり、長短あり、緩急難易あり、人面の一様ならざるが如し、路の數に於て無限、路の差別に於て無限、之れ客觀的にして表觀たり。飜て主観的に裏觀する時は麓より頂に、 頂より麓に往還する路唯一あるのみ、差別亦然り、用の上に於て同一事に屬す、不二峯を眞と觀じ、登路を道と觀ずる時は 之れ大道の縮寫にあらずや、然からば竹道とは何ぞ、曰く竹道を此の縮寫に照らし、表觀的客觀する時は、竹道の類なる書畫詩文の道を西路とし、農工商の類なる實業の道を東路とし、教育宗教の道を北路とし、治國平天下の政道を南路とす、若し亦竹道を裏觀的主觀する時は、何んすれぞ東西南北の別あらんや、唯だ大道の一あるのみ、差別亦然り 百藝百家唯だ靈妙なる眞の一あるのみ。然して頂に達したる彼岸の人、何れの道よりするも皆均しく至人のみ、天爵の人として尊卑優劣有るあらんや。予が竹道の神聖を云々するの意盖し此に存す矣。

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